薬草

Mar 20, 2019

今古今のハーブティーが生まれるまでのお話〜その②〜

前回は、私がアーユルヴェーダの「オカサトミヤ」という考え方
(その土地のものや三世代以上に渡って食べられてきたものが身体に合う)
を学んだことに着想を得て
「今古今」という日本のハーブティーのコンセプトが生まれたことを書きました。
その着想を得てからは、ただひたすら
「日本の薬草」と養生訓について調べる日々が始まります。
(妊娠後期は、ひたすら時間があったのです)
「お茶」というと、日本茶(緑茶)を思い浮かべる方が多く
「ハーブティー」というと香りのよい西洋のハーブを思い浮かべる方が多いと思いますが
実は日本の薬草(ハーブ)を使ったお茶は、緑茶以外にもたくさんあります。
縦に長い島々から成り、様々な風土をもつ日本という島国には
その土地独特の薬草や文化があり
お茶というのは単なる「食」を超えて
深く文化に根ざしているのだということも知りました。
どちらかというと西洋ハーブを学んだときには
ハーブの薬理作用を知ること
つまり、その植物中に含まれている成分を分析して
その成分にどんな効果効能があるのかを把握し
それを症状や体質に「適応させる」ことを中心に学びました。
もちろん西洋にもホリスティックな考え方や
植物療法のエネルギー的な捉え方もありますが
西洋薬の代わりに「代替品」としてハーブを使うというイメージが強かったのです。
(代替療法、という言葉がそうイメージさせているのかもしれませんが…)
一方、アーユルヴェーダや東洋的な思想では
まず、植物や人間を「エネルギー」で捉えて
その循環やバランス調整といった見方から
治癒を考えるというアプローチを取ります。
例えば、同じ「頭痛」という症状が出ている人が二人いたとしても
その「原因」は全く違った、ということがよくあります。
ひとりは完璧主義でいつもピリピリしていて頭に血が昇り
緊張感が身体に漲って、睡眠も浅くて頭痛持ちの人。
もうひとりは動くのが苦手ののんびりさんで甘い物大好き
運動不足で慢性的な鼻炎による鼻づまりで頭痛持ち。
同じ「頭痛」でも、上の人は緊張を和らげて
熱をクールダウンするようなアプローチが良いでしょうが
下の方の人は、甘い物を控えて
ちょっと代謝エネルギーを上げるような活力が必要です。
症状だけを見ていても、わからないことって実は多いので
個人的には、両方の考え方のバランスを取りながら
自分に合ったものを探していくことがとても大切だと感じます。
それから、日本は「神道」から始まった国なので
八百万の神、森羅万象に神がいるという考え方に根ざした国でもあります。
植物を採ってそのエネルギーをいただくという行為は
シャーマニックで儀式的なニュアンスもあり
単なる「栄養素を摂る」以上の意味合いを持って
その土地々々での食文化の一部となっていたのだと思います。
というわけで、日本の様々な薬草茶を集めて飲む日々でありましたが
早々に、壁にぶつかることになるのでした…
その③につづく!